KAWAI K-400(アップライトピアノ)を買った
長男がピアノを習うことになったので、自宅での練習用にということでアップライトピアノを購入した。

KAWAI のK-400 というピアノのアンバーバーチというモデルです。
http://www.kawai.jp/product/k-400ub/
このピアノを買うに至った経緯
買う前は…
そもそもの大昔からの話をしますと、僕は初めて取り組んだ楽器がエレクトーンでした。最初は当時習っていた先生から譲り受けたものすごく古いエレクトーン。思えばあれなんていう機種だったのだろう…。レバーがグレーとホワイトの2色しかなく、リズムボックスがついていないモデルでした。たぶんものすごく古かった。
その後、時代の要請に合わせてHSシリーズになりましたが、主力のHS-8ではなくHS-5という少々下のモデルでした。小学生の頃です。中学受験を期にエレクトーンは辞めてしまいましたが、その後はシンセサイザーに興味が移っていきました。
中学に入って、ミニコミ誌の「譲りますコーナー」で新品みたいなDX-7の初代のモデルを買いました。ものすごく重かった覚えがあります。中学二年からベースを始め、以降はベースがメインになりましたが、その後もシンセは好きで、高校卒業後にはXP-80を買ってしばらく愛用していました。
その後どこかのタイミングでDX-7とXP-80は売ってしまい、代わりにFantom-X6を購入しました。もう20年ぐらい前の話ですが、このX6は今でも持っており、最近長男がピアノを始めたので、その練習にもこれを使用していました。

このシンセ、ちょっと手広くやりすぎたのではないかと思うぐらい多機能で、シーケンサーやサンプラーなどの楽曲制作機能の他、アルペジエイター、ビームコントローラ、アナログライクなつまみ操作など、演奏するときに使う機能も充実しています。さらに、「ピアノモード」という機能がついていて、ワンタッチでピアノ演奏モードになります。ピアノ系の音色だけがリストされて、そこから音色を選択できるようになるほか、グランドピアノの蓋の空き具合や、音のきらびやかさ(レゾナンス)の調整などもできます。タッチレスポンスに対する音の反応を変更する鍵盤の重さの疑似コントロールもできます。また、演奏時にクリックを鳴らす機能(たぶん練習用)も簡単に呼び出せるようになります。
というこのピアノモードが便利なので、これを使用して練習していました。しかし、御覧のようにこのシンセは61鍵仕様なので、ピアノのレッスンを進めるにはやはり鍵盤が足りません。
そうだ、電子ピアノを買おう
シンセサイザーからのステップアップなので、まずは88鍵あればいい、ぐらいの感覚で、電子ピアノかステージピアノ、子どもが練習に使うことを考えるとステージピアノよりは普通の電子ピアノを買った方が良いかな、と考えました。
当初候補に挙がっていたのはKAWAI の電子ピアノで、CA シリーズの中堅ぐらいのモデルでした。当初候補にしていたものの型番を失念してしまいましたが、2019年11月現在のラインナップで言うとたぶんこのぐらいのモデルです。
https://www.kawai.jp/product/ca58/
KAWAI を候補にしていたのは、
- 余計な機能が少ない(純粋に演奏することに特化している)
- タッチがピアノに(ほかのものに比べると幾分)近い(ような気がする)
- 本物のピアノを作っているメーカーである
- そもそも僕はKAWAI のピアノが好きである
といった理由からです。おおむね予算は20万円~25万円ぐらい。頑張ってこのぐらいまでは出そう、と考えていました。
KAWAI のお店を覗いてみた
全然楽器店を見に行ったわけではなく、全く関係ない用事で外出していた際に、偶然通りがかったのでKAWAI 札幌に立ち寄ってみたのでした。
防音室の展示なんかを楽しく眺めながら、「ピアノをお考えですか?」みたいに声をかけられたりし、「いえ、電子ピアノを」などと答えたりする、というようなよくあるやり取りがあったような気がします。KAWAI のピアノ好きなんですよ、といったような。予算は25万円ぐらいかな、なんて。
すると、店内に展示してあった小ぶりのアップライトピアノのところへ誘われました。値段はたしか40万円ぐらいでした。「このぐらいでアップライトピアノもあるんですよ。」と。
いいですね、やはりアップライトとは言え生ピアノはいいですね。電子ピアノを弾いてからアップライトを触ると40万円のモデルでもとんでもなく良いものに感じます。
「やっぱ生ピアノはいいですねー」なんてことを言いながら店内をウロウロ。するととてもステキな赤いピアノが。
https://www.kawai.jp/product/ld-200mf/
なんて綺麗なのでしょうこれ。これの実物がKAWAI 札幌に展示されていて、ひとめぼれしました。とてもステキな色。お値段は約60万円。これステキですね。いいですね。こんな色あるんですね。
で、その日は一応顧客情報カードみたいなやつだけ書いて帰ってきたのでした。
見積が届く
それからしばらくして、うちの郵便受けに封筒が入っていました。中には見積書とカタログが。
見積は三通あり、電子ピアノのものはなく、KB-15J という45万円のアップライトと、このあいだステキステキと連呼していたあの61万円の赤いピアノ、それともう一つ、K-400 というまた別のピアノのものでした。そしてこのK-400 の見積書に「おすすめいたします」と書いてあり、カタログが同封されていました。
全くノーマークだったK-400 というピアノは、見積の段階で75万6千円でした。高すぎる。しかしカタログが同封されていたので見ますよね。見ちゃいますよね。
そこに踊るのは「グランドピアノスタイル」、「グランドピアノと同じ高さになるワイドな譜面台」、「妥協のないハンマー」などなど。もちろんカタログなんだから売り文句が躍るのは当たり前ですが、読めば読むほど、このK シリーズというのはKAWAI の技術を投入して作られた新しいタイプのアップライトピアノなのではないか、と感じたのでした。
そして電話した
見積が届いた週の週末に、お店に電話をしました。見積を置いて行ってくれた店長さんは不在でしたが、「K-400 というピアノの見積をもらったのだけどこれの現物は店頭にありますか? 」と聞いてみました。すると、「K-400 のアンバーバーチという、木目調の仕様のものがあります」と言うではないか。
アンバーバーチ? なんですかそれは? 聞いてみると、K-400 の別仕様で、直販店限定のモデルだそうです。モデルとしてはK-400 と同じで、外観が異なります、とのこと。そしてそれが店頭にある、というのでその日は雨が降っていましたが、「今からそれを触りに行きます。」と言って出かけました。
楽器は触ったらオシマイ
店頭にあったK-400 アンバーバーチは一部調律がくるっていて妙なモジュレーションのかかる音がありましたが、スタンダードスタイルのアップライトピアノと比べて音が響く。ちょっと弾いてみるだけで他のアップライトピアノと全然違うことがわかります。
アンバーバーチというモデルの外観はつや消しの木目調で、オイルフィニッシュのベースみたいな感じです。外観については例のあの赤いピアノのほうがずっと良く、結構迷ったのですが、やはり楽器は弾いてなんぼ。見た目よりも音です。K-400 は鍵盤のタッチも鳴りもLD-200 よりはるかに良かった。加えて、連れて行った長男がこの木目調を気に入り、「木のやつがいい」と言ったのも決め手になりました。
じゃぁこれにします。
いや待て。25万円の電子ピアノを買うんじゃなかったのか。K-400 アンバーバーチは店長見積でも90万円近い金額になっているぞ。普通のK-400 よりもさらに高い。落ち着いた方がいいんじゃないのかオレ。
結局、支払いの算段をしなければならん、という話になり、この日もいったん保留して帰りました。
店長から電話がくる
後日、店長から再び電話が。
「正式な契約は後でもいいので、モノだけ押さえちゃっても良いですか? 」とのこと。なんでも、アンバーバーチはもともと生産台数が少なく、在庫がほとんどないそう。僕が相談した時点で残り5台しか無いということで、押さえておかないといざ買うとなっても何か月も待つことになってしまう、と。
これはもう後戻りできないな、と思いながらも、「じゃぁ押さえるだけ押さえといてください」と伝えました。
そして数日後に正式に買うことを決めたのですが、在庫を押さえておくというのは確保するというだけではなかったようで、既に浜松の工場を出て札幌へ向けて移送中だと言うではないか。いやいやそれでオレが「やっぱ買えません」って言ったらどうするんだ。まぁ買うに決まってるんだけど…。
そして届いた


自宅に入れて鳴らしてみると、店頭で弾いたのとは違い、かなりの音量でガンガン響く。このモデルはグランドピアノスタイルということで、グランドピアノと同じ目線になるような位置に譜面台があるだけでなく、その譜面台の裏に穴が開いていて、フロント側からも音が出るのです。通常アップライトピアノは背中側の反響板で音を出すため、上部の蓋を開けない限り音は後ろへ出る。それがこのモデルの場合、後ろには反響板があり、手前にも穴が開いていて前(演奏者側)にも音が出る。さらに蓋を開けると上からも出る。
想像以上に鳴るので近所への騒音が心配ではあるものの、家じゅうが鳴るような気持ちよさがありました。つや消しの木目調も部屋にあっていて優しいし、大満足です。
早速、届いてから5時間ぐらい弾きまくってしまいました。長男の練習用に買ったのに自分のほうがハマってしまいそうです。
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